FOCUS
消化器外科における蛍光ガイド手術の可能性—肝胆道領域への臨床応用
入江 彰一
1
,
石沢 武彰
1
,
齋浦 明夫
1
Akio SAIURA
1
1がん研有明病院消化器外科
pp.1365-1370
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211852
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はじめに
蛍光イメージングにより手術中に病変の進展範囲と解剖学的構造を明瞭に描出し,正確かつ過不足のない手術を行うために役立てる——これが蛍光ガイド手術のコンセプトである.近年,赤外観察装置の普及に伴い,蛍光試薬としてインドシアニングリーン(ICG)を用いた術中イメージングが種々の用途で応用されはじめている.特に肝胆道手術では,ICGの胆汁排泄性を利用することにより,蛍光イメージングを用いて肝癌の位置を同定し,肝区域の境界や肝外胆管の解剖を描出することも可能である.
本稿では,ICGを用いた術中蛍光イメージング(ICG蛍光法)を中心に,その原理を概説したうえで,期待される用途と手技の実際を紹介したい.
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