Japanese
English
臨床報告
類基底細胞癌と腺扁平上皮癌が併存した食道癌の1例
A case of esophageal cancer comprising basaloid carcinoma and adenosquamous carcinoma
島田 和典
1
,
池袋 浩二
1
,
奥田 倫久
1
Kazunori SHIMADA
1
1医療法人杏樹会 杏林記念病院外科
キーワード:
食道癌
,
類基底細胞癌
,
腺扁平上皮癌
Keyword:
食道癌
,
類基底細胞癌
,
腺扁平上皮癌
pp.1123-1127
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211740
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要旨
症例は65歳,男性.心窩部痛の精査のため上部消化管内視鏡検査を施行したところ,門歯列より38 cmに浅い陥凹を伴う不整な隆起性病変を認め,生検では扁平上皮癌であった.食道癌の診断にて右開胸開腹下部食道切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,口側の隆起病変に類基底細胞癌および肛門側の潰瘍病変に腺扁平上皮癌を認めた.また,この二つの病変に移行像はなく,高分化型扁平上皮癌を介して相接してみられ,衝突癌様の像を示していた.食道悪性腫瘍のうち,類基底細胞癌および腺扁平上皮癌はともに稀な組織型であるが,今回われわれは,両組織型が併存したきわめて稀な食道癌の1例を経験したので報告する.
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