Japanese
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臨床報告
腹臥位CTで術前診断しTAPP法で修復した間接型鼠径部膀胱ヘルニアの1例
A case of laparoscopic transabdominal preperitoneal repair of an indirect inguinal bladder hernia diagnosed with prone abdominal CT
小泉 範明
1
,
小林 博喜
1
,
高木 剛
1
,
福本 兼久
1
Noriaki KOIZUMI
1
1西陣病院外科
pp.895-899
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211686
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要旨
症例は66歳,男性.右鼠径部の膨隆を自覚し当院を受診した.腹臥位CT検査にて間接鼠径ヘルニアに合併する膀胱ヘルニアと診断し,TAPP法で手術を施行した.ヘルニア分類はⅠ-2型で内側から膀胱が滑脱しており,paraperitoneal typeの膀胱ヘルニアと診断した.膀胱損傷を防ぐため,膀胱下腹筋膜を損傷せぬよう意識しながら腹膜前腔を十分内側まで剝離し,メッシュを留置・固定した.膀胱ヘルニアの手術においては膀胱損傷に注意が必要であるが,CT検査で術前診断を行うことがその予防に有益と考えられた.また,腹腔鏡手術では層構造に基づいた愛護的な剝離を行うことが可能であり,膀胱下腹筋膜を意識することで膀胱ヘルニアに対しても安全で確実な治療が行えた.
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