Japanese
English
臨床報告
緩徐な腫瘤増大に伴い血小板減少をきたし腹腔鏡下摘脾を行った脾過誤腫の1例
A case of laparoscopic splenectomy for a splenic hamartoma with thrombocytopenia associated with slow tumor progression
濱田 賢司
1
,
野口 大介
1
,
大森 隆夫
1
,
大倉 康生
1
,
金兒 博司
1
,
田岡 大樹
1
Takashi HAMADA
1
1鈴鹿中央総合病院外科
pp.889-893
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211685
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要旨
症例は70歳,女性.64歳時に脾腫瘤を指摘され経過観察されていたが,5年で約2倍の腫瘍増大に伴う血小板減少が進行し紹介された.超音波検査で腫瘍は等エコー腫瘤として描出され,内部に血流信号を認めた.単純CTで脾臓に径6 cm大,球形で脾実質と同等なdensityの腫瘤を認め,造影CTでは境界明瞭で内部不均一な造影効果を呈する腫瘍として描出された.脾腫瘤を伴った血小板減少と診断し,腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.脾臓の割面は最大径7.5 cmで,膨張性発育を示す境界明瞭・薄い被膜を有した結節性腫瘤であった.組織学的に腫瘍は白脾髄を欠いた脾臓組織で,拡張した血管や類洞を散在性に認め,脾過誤腫と診断した.術後,血小板数も正常範囲内に改善した.
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