Japanese
English
臨床報告
Direct Kugel法で修復した,腹膜透析中に生じた鼠径ヘルニア嵌頓の1例
Incarcerated inguinal hernia in a patient with peritoneal dialysis successfully treated with a Direct Kugel Patch
小泉 範明
1
,
中瀬 有遠
1
,
高木 剛
1
,
福本 兼久
1
Noriaki KOIZUMI
1
1西陣病院外科
キーワード:
腹膜透析
,
鼠径ヘルニア嵌頓
,
Direct Kugel法
Keyword:
腹膜透析
,
鼠径ヘルニア嵌頓
,
Direct Kugel法
pp.1153-1156
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105193
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要旨
鼠径ヘルニアは腹膜透析(PD)の重大な合併症の一つである.症例は62歳の男性で,PD導入後に鼠径ヘルニアを発症し,PD導入後6か月で小腸の嵌頓をきたし前方アプローチで緊急手術を施行した.嵌頓腸管に壊死は認めず,ヘルニア囊を開放して嵌頓腸管を腹腔内に還納し,Direct Kugel法で修復を行った.PD患者では透析液の注入による腹圧上昇のため再発リスクが高く,嵌頓例であっても術前に感染性合併症のないことを確認して適切なメッシュを用いた修復術を行うことが望ましい.特に前方アプローチでmyopectineal orificeを腹膜前腔から平面的に覆うことが可能なDirect Kugel法は,PDに合併するヘルニアに対して有用な術式と考えられ,嵌頓例でも施行可能である.
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