Japanese
English
臨床報告
Meckel憩室のmesodiverticular vascular bandによる絞扼性イレウスの1小児例
Pediatric case of strangulated bowel obstruction by a mesodiverticular vascular band of Meckel's diverticulum
浅井 泰行
1
,
松下 英信
1
,
山村 和生
1
,
栗本 景介
1
,
福山 隆一
2
,
石榑 清
1
Yasuyuki ASAI
1
1愛知厚生連江南厚生病院外科
2愛知厚生連江南厚生病院病理診断科
pp.883-887
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211683
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要旨
8歳,男児.既往歴なし.突然の腹痛と嘔吐を認め,近医を受診したところ小腸イレウスの疑いで当院紹介受診となった.腹部は左下腹部を中心に筋性防御を認めた.腹部造影CT検査では十二指腸から回腸まで拡張した小腸を認め,骨盤底に腹水を少量認めたが,明らかな閉塞機転はわからなかった.血液生化学検査では白血球の上昇を認めた.急性腹症であったが,早期治療介入ができ状態も落ち着いていたため,診断も兼ねて腹腔鏡下で緊急手術を行った.回腸末端から口側約50 cmに腸間膜対側にMeckel憩室を認め,腸間膜に伸びた血管を含む約2 cmの索状物が原因で小腸壁の一部が絞扼され,イレウスに至っていた.索状物切離と憩室切除を行い,手術を終了した.術後にMeckel憩室のmesodiverticular vascular bandによる絞扼性イレウスと診断した.稀ではあるが,イレウス症例では本疾患も念頭に手術を行うことで,より低侵襲な治療が行える.
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