Japanese
English
臨床報告
早期胃癌と合併し腹膜播種との鑑別に苦慮した悪性腹膜中皮腫の1例
A case of epithelial malignant peritoneal mesothelioma with early gastric cancer
青木 毅一
1
,
武田 雄一郎
1
,
川村 英伸
1
,
畠山 元
1
,
杉村 好彦
1
,
門間 信博
2
Kiichi AOKI
1
1盛岡赤十字病院外科
2盛岡赤十字病院病理
キーワード:
悪性腹膜中皮腫
,
腹膜播種
,
長期生存
Keyword:
悪性腹膜中皮腫
,
腹膜播種
,
長期生存
pp.355-359
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211553
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要旨
症例は60歳代,男性.早期胃癌と両側鼠径ヘルニアの診断で開腹手術に臨んだところ,腹膜に粟粒大小結節の散在を認めた.術中には胃癌の腹膜播種と悪性腹膜中皮腫の鑑別が困難で,胃癌に関しては試験開腹として両側鼠径ヘルニアの根治術のみ施行した.術後の腹膜の病理学的検索で悪性腹膜中皮腫の診断に至り,各種化学療法により現在6年を超えて生存中である.悪性腹膜中皮腫は漿膜腔を覆う中皮細胞由来の悪性中皮腫の一種であり,上皮型は肉眼的に小結節を形成するため悪性疾患の腹膜播種との鑑別が困難である.今回,早期胃癌と合併し術中に胃癌の腹膜播種と悪性腹膜中皮腫との鑑別が困難であった症例を経験し,文献的考察を加え報告する.
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