Japanese
English
臨床報告
胃癌腹膜播種によって発症した急性虫垂炎の1例
A case of acute appendicitis caused by peritoneal dissemination of gastric cancer
木村 裕司
1
,
岩川 和秀
1
,
早瀬 良二
2
,
大塚 眞哉
1
,
稲垣 優
1
,
岩垣 博巳
1
Yuji KIMURA
1
1国立病院機構福山医療センター外科
2国立病院機構福山医療センター婦人科
キーワード:
腹膜播種
,
急性虫垂炎
Keyword:
腹膜播種
,
急性虫垂炎
pp.340-344
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104503
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要旨
悪性腫瘍の腹膜播種による虫垂炎の発症は非常に稀である.今回,胃癌腹膜播種によって発症した急性虫垂炎の1例を経験した.患者は41歳,女性で,前日からの発熱と下腹部痛を主訴に近医を受診した.腹部CTで卵巣腫瘍を指摘され,当院を紹介された.臨床所見では急性虫垂炎が疑われたが,CTでは明らかな虫垂炎所見は認められず,その一方で,胃壁肥厚と腹腔内脂肪織の毛羽立ちを認め,胃癌腹膜播種が疑われた.原因不明の腹膜炎の診断で緊急手術を施行したところ,虫垂中央付近に播種結節があり,先端部で強い炎症を起こしていた.播種巣が虫垂内腔へ浸潤し,閉塞したことで虫垂炎を発症したと考えられた.
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