ラパコレUpdate 最近のコンセプトと手技・4
標準的ラパコレ—ラパコレ時の術中胆道損傷
三澤 健之
1
Takeyuki MISAWA
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
pp.1400-1407
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211423
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はじめに
1980年代後半に導入された腹腔鏡下胆囊摘出術(以下LC)は,文字通り燎原の火のごとく全世界に遍満し,良性胆囊疾患に対する外科治療のゴールドスタンダードとして定着,以来すでに四半世紀の時を経ている.この間,内視鏡外科手術に携わる医師の技術は格段に向上し,また優れた光学機器や手術用器具の開発,改良が進み,手術自体のクオリティは往時と比べるべくもない.一方で,LCにおいて最も重要な合併症である術中胆道損傷(BDI)の変遷に関しては,これまであまり語られることがなかった.本稿では,内視鏡下手術ゆえの弱点から,LCに多くみられるBDIについて再考し,その時代的推移,メカニズム,分類,さらには予防法や対処法について,私見を混じえながら述べてみたい.
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