FOCUS
多発性肝囊胞—ガイドラインに基づいた診断と治療
高野 恵輔
1
,
福永 潔
2
,
竹内 朋代
3
,
大河内 信弘
1
Keisuke KOHNO
1
1筑波大学消化器外科
2独立行政法人国立病院機構霞ヶ浦医療センター外科
3筑波大学診断病理
pp.880-886
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211240
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はじめに
多発性肝囊胞(polycystic liver disease:PCLD)は肝実質に多発囊胞が発生する遺伝性疾患で,肝内胆管の形成異常が原因で発症すると考えられている.PCLDは無症状のことが多いため,医療機関を受診する患者が少なく,診療経験が蓄積されにくいため,その治療は手探りの状態で行われている現状がある.
当科ではPCLDの治療について全国アンケート調査を行い,2013年に現時点での本邦におけるPCLDの診断と治療について『多発性肝囊胞診療ガイドライン』にまとめた.今回,この診療ガイドラインに基づいて,多発性肝囊胞の診断から治療に関してわかりやすく解説する.
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