Japanese
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臨床報告
胆囊癌術後早期に発症し肝転移との鑑別が困難であった縫合糸肉芽腫の1例
A foreign-body granuloma mimicking regional liver metastasis from gallbladder cancer: case report
三木 明寛
1
,
南 貴人
1
,
鈴木 貴久
1
,
北村 好史
1
,
大谷 剛
1
,
石川 順英
1
Akihiro MIKI
1
1高松赤十字病院消化器外科
キーワード:
異物肉芽腫
,
縫合糸肉芽腫
,
胆囊癌
Keyword:
異物肉芽腫
,
縫合糸肉芽腫
,
胆囊癌
pp.357-361
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211120
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要旨
患者は84歳,男性.6か月前に胆囊癌に対して,胆囊床部切除を伴う胆囊摘出術とリンパ節郭清を施行した.病理診断はtub2,pT2,N0,M0,StageⅡであった.今回,超音波検査で肝S4-5境界付近に異常陰影を認め,CTで辺縁に造影効果を伴う占拠性病変として描出された.MRI T1強調像で低信号,T2強調像で高信号,マグネビスト®造影では肝実質相にて明瞭な取り込み欠損を認めた.胆囊癌の肝S4a+S5への転移が否定できず,肝S4a+S5切除術を施行した.組織学的に腫瘤は肝外病変でsuture granulomaと診断された.胆囊癌術後の異物肉芽腫の報告は稀であり,胆囊静脈の肝床方向への灌流域近傍に発生した場合は限局性肝転移との鑑別が困難で,今後の検討が必要と考えた.
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