Japanese
English
臨床報告
術前の鑑別診断が困難であった膵異物肉芽腫の1切除例
Resection of a foreign body granuloma in the pancreas:difficulty in discriminating foreign body granulomas
大橋 朋史
1
,
富丸 慶人
1
,
江口 英利
1
,
森 正樹
1
,
土岐 祐一郎
1
,
永野 浩昭
1
Tomofumi OHASHI
1
1大阪大学大学院消化器外科学
キーワード:
膵腫瘍
,
異物肉芽腫
,
膵切除術
Keyword:
膵腫瘍
,
異物肉芽腫
,
膵切除術
pp.1535-1539
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211030
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要旨
症例は70歳,男性.当院呼吸器内科にて慢性閉塞性肺疾患の経過観察中に施行した単純CT検査により,膵尾部に腫瘍性病変を指摘され,当科へ紹介された.既往歴として,胃潰瘍に対する幽門側胃切除術の手術歴を有していた.各種画像検査にて,膵尾部を主座とする膵神経内分泌腫瘍(PNET),solid pseudopapillary neoplasm(SPN)が疑われた.超音波内視鏡下穿刺吸引による生検および細胞診では確定診断に至らなかったが,悪性腫瘍の可能性を考慮し,膵体尾部切除術を施行した.切除標本の病理学的検索により,異物肉芽腫と診断され,過去の胃切除術時の遺残物によると考えられた.膵異物肉芽腫は画像検査上,通常型膵癌,PNET,SPN,腫瘤形成性膵炎などの膵充実性病変と類似所見を呈することから,手術歴を考慮したうえでの鑑別診断が必要であると考えられた.
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