Japanese
English
臨床報告
胃癌術後に発症したYersinia enterocoliticaによる化膿性脊椎炎の1例
A case of pyogenic spondylitis caused by Yersinia enterocolitica following surgery for gastric cancer
小池 卓也
1
,
河野 悟
1
,
塩見 理紗
2
,
荒井 真
2
,
高橋 雅史
2
,
池西 太郎
3
Takuya KOIKE
1
1相模原協同病院外科
2相模原協同病院臨床検査科
3相模原協同病院整形外科
キーワード:
化膿性脊椎炎
,
Yersinia enterocolitica
,
胃癌
Keyword:
化膿性脊椎炎
,
Yersinia enterocolitica
,
胃癌
pp.650-653
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210761
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要旨
症例は78歳,男性.胃の検診で異常を指摘され,当院を紹介されて受診し,精査で胃癌と診断され,腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.術後6日目より発熱を認め,全身精査をしたが熱源を同定できなかった.しかし,血液培養にてYersinia enterocoliticaを検出して菌血症と診断し,抗菌薬投与を継続した.術後11日目より腰痛が出現し,腰椎MRIを施行したところ化膿性脊椎炎の所見を認めた.その後も保存的加療・抗菌薬投与を続け,症状は改善し,術後74日目に軽快退院した.化膿性脊椎炎は,診断の遅れから適切な治療開始がなされない場合,重篤な後遺症を残す可能性がある.術後に発熱・腰痛を認めた際には,鑑別疾患として化膿性脊椎炎も念頭に精査・加療を行う必要があると考えられた.
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