Japanese
English
臨床報告
胃癌と直腸癌同時手術後3か月目で発症したMRSAによる化膿性脊椎炎の1例
Pyogenic spondylitis with MRSA which developed after an operation at the same time in the third month of stomach cancer and rectal cancer
田代 耕盛
1
,
峯 一彦
1
,
市成 秀樹
1
,
米井 彰洋
1
,
宮原 悠三
1
Kousei TASHIRO
1
1宮崎県立日南病院外科
キーワード:
化膿性脊椎炎
,
MRSA
,
compromised host
Keyword:
化膿性脊椎炎
,
MRSA
,
compromised host
pp.109-112
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210623
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は75歳,男性.胃癌と直腸癌の診断にて,幽門側胃切除術および低位前方切除術を施行した.術後7日目に38.4℃の発熱が出現したが,腹部所見とドレーン排液に異常を認めなかった.カテーテル感染を疑い,中心静脈カテーテルを抜去した.術後9日目から水様便が出現し,便培養にてMRSAが検出されたが,その後,症状は軽快した.外来でのCRP値は2〜5 mg/dLを推移していたが,感染症状はなく経過観察としていた.術後3か月目に背部痛を自覚し受診した.Th11〜12における化膿性脊椎炎と診断された.同時に血液培養にてMRSAが検出された.バンコマイシン投与によってCRPの陰転化を認め,以降再燃は認められなかった.大侵襲術後のcompromised hostが症状を呈するようなMRSA感染をきたした場合には,即刻治療を行うことが肝要である.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.