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あとがき
宮崎 勝
pp.128-128
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210632
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胆道癌の治療において外科切除が唯一の根治可能な治療方法であり,胆道癌患者さんにとっての外科切除手術の意義は,他の多くの癌腫における外科治療の役割に比して,きわめて大きいものであるのは異論のないところである.胆道癌外科治療の方法は,1990年代より大きな進歩がみられ,2000年代に入ってもその外科手術の進歩は依然続いている.したがって,徐々にではあるが胆道癌外科治療の成績は向上してきているといえる.
しかしながら,まだ多くの胆道癌患者さんが診断時には進行したstageで発見される場合が多く,外科切除しえた患者さんのなかでも切除後再発をきたす患者さんが少なくないのが現状である.胆道癌外科切除において,その外科切除後の再発を規定する因子として最も大きな要因は,外科切除時のsurgical marginである.R0切除か,R1,R2切除に終わるかは,その後の再発の可能性を予測するうえできわめて大きな因子であるため,外科切除時にはいかにしてR0,すなわち,外科切除断端が陰性になるような外科切除を安全に施行するかが大切になる.そのための様々な工夫が,胆道癌特有の問題としてこれまで工夫がなされてきている.
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