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あとがき
宮崎 勝
pp.1008
発行日 2007年7月20日
Published Date 2007/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101781
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本号では「乳癌の治療戦略―エビデンスとガイドラインの使い方」と題した特集をお送りした.近年,evidence-based-medicineとガイドラインとが多くの診療分野において取り上げられ,国内においても出版されるようになってきた.このガイドラインの作成において中心の考え方になるのがevidence-based-medicineであり,多くの文献のなかからいわゆるevidence levelの高いとされるものを抽出してガイドラインは作成されている.これは大変重要な情報提供であり,その内容を医療関係者は十分に知っておく必要があろう.また,その情報は患者さんにとっても自身の病態からどのような診断・治療が適切であるかをある程度理解するうえで役立ち,主治医と相談する際にその知識があることでスムーズな話し合いに役立ってくるであろう.
しかし,外科診療での日常においてはいまだ高いエビデンスが構築されたものばかりではなく,多くの臨床医のこれまでの経験からコンセンサスが得られて施行されているものもきわめて多いのである.また,特に手術術式に関しては,どのような手術をどのような対象患者さんに行うかについての,evidence levelの高いデータとしてのいわゆるrandomized control trialを行うことはこれまでもそうであったが,今後もなかなか困難な問題が存在するであろう.
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