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あとがき
宮崎 勝
pp.926-926
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210831
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本特集号では「Neoadjuvant therapyの最新の動向—がんの治療戦略はどのように変わっていくのか」というタイトルにて,様々ながん腫に対してのneoadjuvant therapyの意義と,その現状からみた位置づけを明らかにしてもらう企画である.このように,多種類のがんの治療戦略を横断的に俯瞰してみると,そこに各がん腫ごとに異なる生物学的悪性度,および特性が浮かびあがってくるとともに,現状の問題点ならびに今後の展望が透けて見えてくることが多い.
多くのがんの治療戦略において,現在もちろん外科切除が最も効果的根治療法に挙げられているわけであるが,特に難治がんといわれているがん腫ほど,外科切除の有用性がその予後に与えている効果が高いものである.しかしながら残念なことに,決して外科切除のみでいまだ十分な結果が得られているものばかりではない.もちろん,外科医は外科手術という治療手段を通して,様々な疾病を効果的に治癒させるのがその最大の目的である専門医であるので,常にがんにおいてもより根治性,安全性を向上させるべく新たな外科手術手技の開発に努力する必要があるのは言うまでもなく,最も重要なことである.しかし,またその一方で現状の外科治療成績を少しでも向上させるために,他の治療手段をうまく利用していくことも念頭に置いていくべきものと私は考える.
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