Japanese
English
臨床報告
直腸周囲膿瘍を伴い診断に難渋した直腸GISTの1手術例
Excision of a rectal gastrointestinal stromal tumor with a perirectal abscess
田代 耕盛
1
,
峯 一彦
1
,
市成 秀樹
1
,
河野 文彰
2
,
中尾 大伸
2
,
中村 都英
3
Kousei TASHIRO
1
1宮崎県立日南病院外科
2宮崎大学外科学講座消化管・内分泌・小児外科分野
3宮崎大学外科学講座心臓血管外科分野
キーワード:
直腸GIST
,
直腸周囲膿瘍
Keyword:
直腸GIST
,
直腸周囲膿瘍
pp.1014-1019
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211272
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要旨
症例は69歳,男性.主訴は血便.入院時WBC 2万/μL台,40℃台の高熱,貧血,著明な凝固能障害が生じていた.腹部CTにて直腸周囲の巨大な膿瘍形成を認め,経皮的ドレナージ・横行結腸人工肛門造設を行った.2度の大腸内視鏡検査で診断がつかず,最終的に経皮的needle biopsyでgastrointestinal stromal tumor(GIST)の診断が確定し,腹会陰式直腸切断術で切除しえた症例である.免疫染色ではc-kit(+),CD34(+),desmin(−),S-100蛋白(−)で,直腸原発のuncommitted type GISTと診断した.核分裂像は4/50 HPFであった.直腸GISTは文献上,非常に稀な疾患であり,そのなかでも今回の症例は直腸周囲膿瘍を伴っており,医学中央雑誌およびPubMedで検索しえなかった.診断に難渋した,直腸周囲膿瘍を伴う稀な直腸GISTの1手術例を経験したので報告する.
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