Japanese
English
臨床経験
化膿性脊椎炎のMR像―経時的変化を中心に
MRI of Pyogenic Vertebral Osteomyelitis Evaluation for Time Related Changes
吉野 恭正
1,2
,
加藤 浩
1
,
飯田 惣授
1
,
松岡 正裕
1
,
関口 哲夫
1
,
湯浅 竜寿
1
,
堀田 芳彦
1
Yasumasa Yoshino
1,2
1埼玉医科大学整形外科学
2現:埼玉県立がんセンター
1Department of Orthopeadic Surgery, Saitama Medical School
キーワード:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic vertebral osteomyelitis
,
MRI
Keyword:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic vertebral osteomyelitis
,
MRI
pp.641-645
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901125
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抄録:化膿性脊椎炎のMR像の経時的変化と臨床経過との関係について検討した.対象は10症例で,男性6例,女性4例である.平均年齢は約50歳で,発症型は発熱を伴う急性型7例,発熱を伴わない慢性型3例である.使用MR機種は1.5T(3例),1.0T(3例),0.5T(4例)で,T1強調画像(T1)とT2強調画像(T2)で評価した.症状の発現時,軽快時および抗生剤が中止されてから3ヵ月以降にMRを撮像した.
検討の結果,次のようなことが考えられた.①化膿性脊椎炎のMR像:急性型では椎体はT1で低信号,T2で高信号を呈し,変形性脊椎症合併例の診断や多椎間罹患例の病巣範囲の決定にMR像が有用であった.慢性型ではT1,T2ともに低信号と高信号が混在する像を呈し,椎体の破壊と修復が同時に生じていると考えられた.②MR像の経時的変化:急性型ではT1での低信号領域の縮小と臨床症状の改善とがほぼ相関した.慢性型では治療前後で著変を認めず,MR像の経時的変化より炎症の鎮静化を示唆できないと思われた.
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