Japanese
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特集 食道癌の手術
胸部食道癌切除郭清術式
Dissection procedure for cancer of the thoracic esophagus
松原 敏樹
1
Toshiki MATSUBARA
1
1癌研究会附属病院外科
pp.899-904
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210395
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胸部食道癌の転移好発リンパ節は頸胸境界部から上腹部まで広汎に分布している.特に頸胸境界部,左側縦隔,食道裂孔周囲は確実な郭清が必要な部位であるが,視野の展開が不良となりやすい.また,上中部食道は気管系と支配動脈や支配神経を共有しており,この部の拡大郭清は気道系の合併症を生じやすい.胸部食道癌の郭清術式においては,適切な剥離層を選択して郭清効果の期待されるリンパ節群を確実に郭清すると同時に,気道系の脈管や神経の温存にも細心の注意を払う必要がある.われわれは頸部郭清および腹部郭清を先行することによって領域リンパ節の確実な郭清を心がけている.本稿ではわれわれの行っている標準的切除郭清術式の要点をシェーマに基づいて述べる.
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