Japanese
English
特集 消化器良性疾患の手術適応—最近の考え方
食道静脈瘤
Management of esophageal varices
三條 健昌
1
,
出月 康夫
1
Kensho SANJO
1
,
Yasuo IDEZUKI
1
1東京大学医学部第2外科
pp.461-470
発行日 1989年4月20日
Published Date 1989/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210327
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門脈圧亢進症は,肝臓を経て下大静脈に流入する血流の途中経路の血管抵抗の増大と,門脈圧の亢進により生じた多数の側副血行路の血管抵抗,さらに門脈系に流入する血流量の増大などが相互に関連して発病する.多数存在する側副血行路の一部が食道静脈瘤を形成するが,食道静脈瘤の破裂は,食道静脈瘤の周囲組織からの支持の脆弱化,壁の菲薄化,口径の拡大,静脈瘤内圧の食道内腔圧との較差の増大が,食道静脈瘤壁とそれを被う食道壁の弾性線維により生ずる張力と食道静脈瘤を内側から広げようとする力との均衡を破綻させるためにおこる.
外科的治療の成績は,この血行動態からみた術式の合理性,術式のもつ手術侵襲,原疾患の進行度,合併症(肝癌など)の有無により左右されることになる.したがって適応は術式により異なる.経腹的食道離断術では,肝外門脈閑塞症,特発性門脈圧亢進症,肝破変のうちChild分類A,Bを適応とする.
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