Japanese
English
特集 80歳以上高齢者の手術
外傷
Injury in the aged
北野 光秀
1
,
山本 修三
1
,
茂木 正寿
1
,
吉井 宏
1
,
須藤 政彦
1
Mitsuhide KITANO
1
1済生会神奈川県病院外科
pp.239-243
発行日 1989年2月20日
Published Date 1989/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210291
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当院救急センターに搬入された外傷患者35,856名のうち80歳以上の患者は309名(0.86%)であり,外傷部位をみると309例中整形外科領域の外傷176例,頭部外傷110例,胸部外傷,腹部外傷はそれぞれ21例,2例と著しく少ない.70歳以上の高齢者腹部外傷は歩行中の事故が多く,損傷臓器は骨盤骨折を合併した後腹膜血腫などの後腹膜臓器損傷が多い.また,ショック発生率および出血による死亡率が高いことから,骨盤骨折による内腸骨動脈領域の出血に対してembolizationによる止血を行う.高齢者の脾破裂では脾機能が低下していることから脾全摘による完全止血を行う.大腸破裂に関しては,一時閉鎖を行わず人工肛門造設を行う方が安全であろう.出血性ショック時の大量輸液の際Swan Ganzカテーテルを挿入し,心拍出量,肺動脈楔入圧をモニターしつつ輸液投与を行い,肺間質浮腫に対してはPEEPを併用した人工呼吸療法を行う.
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