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特集 外科と血管造影—〈読影のポイント,鑑別のコツ〉
腹部外傷と血管造影
Abdominal angiography of the abdominal injuries
山本 修三
1
,
茂木 正寿
1
,
相川 直樹
1
,
須藤 政彦
1
,
平松 京一
2
,
井戸 邦雄
2
Shuzo YAMAMOTO
1
1済生会神奈川県病院外科
2慶応義塾大学医学部付属病院放射線診断部
pp.637-649
発行日 1979年5月20日
Published Date 1979/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207159
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はじめに
腹部外傷の診断に腹部血管造影法を初めて導入したのは1957年,Norrell1)で,1953年Seldin—ger2)が動脈造影を目的とした経皮的カテーテル挿入法を発表してからわずか4年後のことである.その後,交通災害,労働災害などによる閉鎖性腹部外傷が増加するにつれ,1960年代の後半から1970年代にかけて腹部外傷に対する腹部血管造影の報告3-6)が相次ぎ,本邦でも最近に至り藤瀬7),福住8),福田9)らの報告がみられる.腹部外傷に対する腹部血管造影の診断的意義は,損傷臓器や損傷の程度の診断,即ち損傷の質的診断がどこまでできるかにある.そこで今回われわれは自験例を示しながら,腹部外傷に対する血管造影の意義と限界について述べてみたい.
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