Japanese
English
臨床研究
消化管カルチノイド—種瘍径とリンパ節転移からみた治療方針
Surgical treatment of gastrointestinal carcinoids in consideration of the relation between the tumor size and the lymphnode metastasis
別府 真琴
1
,
福崎 孝幸
1
,
三谷 和弘
1
,
藤本 憲一
1
,
谷口 積三
1
Makoto BEPPU
1
1兵庫県立西宮病院外科
pp.1797-1801
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210223
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はじめに
消化管カルチノイドは,最近の診断技術の進歩ならびに本症に対する認識の高まりにより,術前に比較的早期に診断される機会が多くなり,治療法の選択に対して問題が生じつつある.すなわち早期の小病変に対して,悪性腫瘍として本症を扱い癌に準じた手術をするべきか,それとも良性腫瘍と捉え局所切除のみでよしとするか議論の余地が残されている.従来よりカルチノイドの腫瘍径とリンパ節転移との間には密接な関係があることが報告されている1,2).しかしながら,リンパ節転移が少数例ながらみられるようになる1cm前後の小腫瘍に対して,いかなる手術術式を選択すべきか判断に苦慮するところである.そこで著者らは消化管カルチノイド6例の経験と本邦報告例の検討から,手術術式の決定に役立つべき方針を考察したので述べる.
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