Japanese
English
特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療
活性炭吸着抗癌剤
Anticancer drugs adsorbed on activated carbon particles
萩原 明於
1
,
高橋 俊雄
1
,
沢井 清司
1
,
岩本 昭彦
1
,
米山 千尋
1
,
近藤 慎治
1
Akeo HAGIWARA
1
1京都府立医科大学第1外科
pp.1749-1754
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210213
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活性炭吸着抗癌剤は,微粒子活性炭に多量の抗癌剤を吸着させた剤型である.本剤型は抗癌剤を一定の濃度に調節しながら放出する性質(濃度調節的成分徐放性)や,リンパ指向性と全身への薬剤成分移行の軽減,癌の腫瘤表面への付着性を持つ.マイトマイシンCを用いた腹膜播種性転移に対する体腔内投与では,毒性はマイトマイシンC水溶液の約1/5,局所的治療効果は3倍で,臨床的にもヒト癌性胸・腹水や,胃癌の腹膜播種の予防と治療に効果を認めた.リンパ節転移に対しては,ペプロマイシンやマイトマイシンCを吸着させて局所投与し,動物実験で水溶液抗癌剤に比較して有意に治療効果が増大した.臨床的には食道癌や胃癌に対して使用し,有効であった.
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