Japanese
English
特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療
抗癌剤封入リポソームを利用したターゲティング療法
Targeted cancer chemotherapy using liposomes as a drug carrier
熊井 浩一郎
1
,
高橋 孝行
1
,
壷内 泰二郎
1
,
鈴木 啓一郎
1
,
平畑 忍
1
,
石引 久弥
1
,
阿部 令彦
1
Koichiro KUMAI
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.1755-1764
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210214
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抗癌剤の腫瘍到達性向上と抗腫瘍効果増強を目的として,リポソームという人工脂質膜小胞を薬剤キャリアーとして用いたDDSの研究を行っている.リポソームの低毒性という共通の性質に加え,以下の3特性をDDSに利用している.1)脂質であるリポソームのリンパ組織指向性を利用し,アドリアマイシンを封入したLip-ADMのリンパ節転移治療効果増強を転移モデルで確認し,内視鏡下局注の臨床応用を行った.2)リポソームの相転移特性を利用し,42℃で薬剤を放出する温度感受性TS-Lip-ADMを作成し,腫瘍局所加温併用による効果増強を実験的に確認し,臨床応用を試みた.3) Lip-ADMに抗ヒトAFPモノクローナル抗体およびそのFabフラグメントを結合させたLip-ADM=Ab,Lip-ADM=Fabのターゲティング効果増強をin vivo実験で確認し,肝動注による肝転移治療への臨床応用を実施した.
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