Japanese
English
特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療
Degradable Starch Microsphere(DSM)の臨床応用
Clinical application of degradable starch microsphere
藤本 茂
1
,
小池 正造
1
,
遠藤 文夫
1
,
橘川 征夫
2
,
水谷 正彦
2
,
奥井 勝二
2
Shigeru FUJIMOTO
1
1千葉大学医学部第1外科
2千葉市立病院外科
pp.1733-1740
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210211
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消化管原発悪性腫瘍よりの切除不能肝転移12例に対して,45±5μmの直径を有するdegradablestarch microsphere(DSM)とmitomycin C(MMC)の併用肝動注を行った.DSMは血中アミラーゼにより分解・消失するが,その直径より肝細動脈に塞栓を形成してarteriolar spaceにMMCを貯留させ,そのT/2は約30分と考えられる.DSMの1回投与量は600〜900mg,MMCの平均総投与量は35.5±21.3mgであり,CR1/12例,PR4/12例,MR2/12例(58%)に認められた.動注前3.0ng/ml以上の血中CEAを示した11例中7例(64%)において50%以上の下降を見た,副作用としては,一過性の悪心,嘔吐,発熱などを認めた.さらに,DSM投与による肝内微細循環の変動を検索し,その抗腫瘍効果について概説した.
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