Japanese
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特集 Drug Delivery Systemを利用した癌治療
リピオドールを用いたターゲティング療法
Targeting chemotherapy using lipiodol for hepatocellular carcinoma
今野 俊光
1
Toshimitsu KONNO
1
1熊本大学医学部第1外科
pp.1723-1732
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210210
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固型腫瘍の治療においては,腫瘍局所にのみ制癌剤を集めることができれば,制癌剤による副作用軽減はもちろんのこと,抗腫瘍効果を増強させ得ることは容易に想像できる.
油性造影剤であるLipiodol ultrafluidは動注されると腫瘍新生血管内外に長く停滞することを初めて見出し,このLipiodolの腫瘍内に選択的に停滞する性質を利用したターゲティング療法を試みたところ,目的としたターゲティング療法の成立が認められるとともに著明な抗腫瘍効果の増強と副作用の軽減が得られ,臨床的にその有用性が確認されたので報告する.さらに,Lipiodolをキャリアーとして用いたターゲティング療法における薬剤剤型上の必要条件について併せて報告する.
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