Japanese
English
臨床報告
盲腸に瘢痕性狭窄をきたした日本住血吸虫症の1例
A case of schistosomiasis japonica with cicatricial change of the cecum
更科 広実
1
,
樋口 道雄
1
,
古山 信明
1
,
佐藤 英樹
1
,
千見 寺勝
1
,
橘川 征夫
1
,
小林 裕夫
1
,
奥井 勝二
1
,
野本 一夫
2
,
狩谷 淳
2
,
林 学
2
,
山田 公三
2
,
西沢 護
3
,
小林 茂雄
3
Hiromi SARASHINA
1
1千葉大学医学部第1外科
2千葉大学医学部第1内科
3千葉県がんセンター
pp.1193-1197
発行日 1975年9月20日
Published Date 1975/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206341
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
日本住血吸虫症(以下日虫症と略)は,広島,山梨,佐賀地方に広く分布し,経皮的に感染した日虫セルカリアが門脈内で発育し,血管内で直接に産卵するため,肝臓や消化管に各種の病変を惹起することが知られている1)2).消化管では潰瘍,ポリープ,腫瘤および癌性変化などがみられるが,下部消化管,とくに大腸にその頻度が高く,しばしば外科的治療の対象となる3).われわれは最近,盲腸に瘢痕性狭窄をきたした日虫症の1例を経験したので,最近10年間に報告された大腸の外科的日虫症を集計し,若干の文献的考察を加え報告する.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.