カラーグラフ Practice of Endoscopy
食道内視鏡シリーズ・Ⅰ
食道色素内視鏡検査法
吉田 操
1
,
室井 正彦
1
,
門馬 久美子
2
,
榊 信宏
2
1東京都立駒込病院外科
2東京都立駒込病院内科
pp.1563-1565
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210186
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はじめに
食道の色素内視鏡検査は急速に普及し,特に食道癌の早期診断には欠くことのできない診断法となった.内視鏡用補助診断法としての色素法は当初,癌の診断を目的にしておらず,食道胃粘膜接合部の観察をするために用いられた.しかし本邦においては,癌の早期診断への応用が早くからなされて急速に進歩普及を示した.特に,X線検査ではスクリーニング効果の期待できない食道上皮内癌や粘膜癌の診断には本法はかかせない.食道癌においては,粘膜下層癌の予後が胃癌の場合と異なり不満足な結果を示した.このため食道癌の早期発見の目標は上皮内癌や粘膜癌に移行しつつある.これを可能にしたのが色素内視鏡検査法である1).色素法は食道癌のみならず食道炎や異型上皮などの病態の理解にも有用である.本稿では食道色素法の手技および内視鏡所見の解釈について述べる.
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