カラーグラフ 内視鏡的色素シリーズ・6
小腸色素内視鏡検査の応用
平塚 秀雄
1
,
後町 浩二
1
,
飯塚 邦雄
1
,
大坂 渥巳
1
,
橋爪 洋平
1
,
長谷川 充輝
1
1平塚胃腸病院
pp.1190-1191
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207249
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小腸は経口的に摂取された物質の吸収の場である.吸収能を効率よく営むために特有な分化がみられるのもこのためである.すなわち,小腸内腔には輪状ひだのケルクリング皺襞が発達し,その表面には,無数の絨毛さらには微絨毛単位となり,小腸をたんに円筒と考えた場合には,吸収面積は実に600倍という級数的な拡がりをもつているという.このような背景にたつて内視鏡的に形態と機能を論ずる場合には,少なくとも絨毛レベルでの内視鏡的観察を必要とする.
そこでわれわれは拡大小腸ファイバースコープ(FIS—ML)を開発し,図①に示すような拡大観察法を考案した.これは実体顕微鏡下の低倍率観察法にヒントを得て,点滴水流中,斜行照明観察がその特長である.絨毛は10〜30倍に,しかも通常観察での"ねた状態"の絨毛は"生き生き"と明瞭にダイナミックに描出できる.
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