Update '98
食道色素内視鏡検査の有用性と注意点
中澤 肇
1
1中沢クリニック・内科小児科
pp.830
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903699
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近年,内視鏡的治療が急速に進歩し,消化管の早期癌に対してポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)が日常的に行われるようになってきた1).
食道については,本誌7巻12号(1997年12月号)の表紙にカラー写真が示されているように,ヨード液を用いた色素内視鏡検査が食道粘膜癌の診断に大変有用であり2)3),とくに平坦型病変の診断には不可欠である.この手技によって食道癌がきわめて早期に発見され,EMRにて処置できれば,患者さんにとって大きな福音となり,医療費の節約にもなる.しかし,ここで1つ注意すべき点は,ヨード液散布により痛みや刺激症状をしばしば生ずる点である4).患者さんによっては,検査後数日間にわたって不快感を訴えることがある.したがって,事前によく説明し,了解を得てから実施することが必要である.以下のような考え方にもとづいて,効果的に安全に実施したいと考える.
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