特集 早期食道癌1995
主題
Ⅰ.診断
3.内視鏡検査による精密診断
a) 粘膜癌を発見するための内視鏡検査
門馬 久美子
1
,
吉田 操
2
,
山田 義也
1
,
菅 知也
1
,
葉梨 智子
2
,
荒川 丈夫
3
,
榊 信廣
3
1東京都立駒込病院内科
2東京都立駒込病院外科
3東京都立駒込病院内視鏡科
キーワード:
食道粘膜癌
,
ヨード染色
,
トルイジンブルー染色
Keyword:
食道粘膜癌
,
ヨード染色
,
トルイジンブルー染色
pp.337-345
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105347
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要旨 内視鏡検査で食道粘膜癌を発見するためには,①食道内を洗浄し,粘液などを除去してから観察する,②観察は管腔の伸展度を変えながら,内視鏡挿入時と抜去時に行う,③観察点は粘膜の発赤や混濁部,正常血管網の消失や途絶部位,隆起および陥凹所見である,④異常所見を発見した場合は,ヨード染色を行い病巣範囲の診断を行う,⑤平坦型の上皮内癌は拾い上げ診断がしにくいため,食道癌の高危険群には,積極的にヨード染色を行う,ことが重要である.食道粘膜癌を発見した場合は,深達度診断が必要であり,①隆起性病変では,隆起の色調,高さ,可動性の有無,②陥凹性病変では,陥凹の深さ,陥凹底の性状,陥凹周囲の変化,を観察する.特に,陥凹性病変では補助診断として,①ヨード染色後に見られる輪状の粘膜ひだ"畳目模様"の変化,②ヨード不染部内の島状染色部の有無,③トルイジンブルーの染色所見,が役立つ.
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