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特集 消化器癌の相対非治癒切除
膵癌の相対非治癒切除—膵周囲切離,剥離面(ew)からみた検討
Relative non-curative resection of pancreatic cancer
今泉 俊秀
1
,
羽生 富士夫
1
,
吉川 達也
1
,
中迫 利明
1
,
松山 秀樹
1
,
長谷川 正治
1
Toshihide IMAIZUMI
1
1東京女子医科大学消化器外科
pp.1349-1356
発行日 1988年8月20日
Published Date 1988/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210153
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膵癌の相対非治癒切除について検討した.「膵癌取扱い規約」に準じew(−)をew0(膵周囲切離,剥離面より5mm以内に癌浸潤が認められないもの)と,ew1(膵周囲切離,剥離面より5mm以内に浸潤が認められるが,切離,剥離面への浸潤の認められないもの)とに分けて,病理組織学的進展様式,再発様式,予後から検討した.ew1は病理組織学的にはew(+)に近い病像を呈し,再発様式でも後腹膜再発が61%と多くew(+)と類似性を示したことから,癌遺残のhigh risk factorと考えられた.予後ではew0とew(+)との中間に位置した.したがって膵癌の相対非治癒切除を規定するならば,ew1が妥当と考えられた.今後,拡大手術によって可及的に治癒切除を追求し,さらに症例の集積をまって検討すべきであろう.
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