Japanese
English
特集 消化器癌の相対非治癒切除
肝癌の相対非治癒切除—成績とその問題点
Relative non-curative operation of hepatocellular carcinoma:its result and problem
高山 忠利
1
,
幕内 雅敏
1
,
小西 宗明
1
,
北口 浩
1
,
上坂 克彦
1
,
彌政 晋輔
1
,
山崎 晋
1
,
長谷川 博
1
Tadatoshi TAKAYAMA
1
1国立がんセンター病院外科
pp.1317-1324
発行日 1988年8月20日
Published Date 1988/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210149
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肝細胞癌に対する肝切除術根治度の臨床的意義を明らかにする目的で,肝硬変合併肝癌165切除例を対象に,とくに手術根治性の術後予後に与える影響を中心に解析した.
術後累積生存率は,1年生存率90.0%,2年74.2%,3年57.1%,4年および5年28.6%であった.原発性肝癌取扱い規約に従えば,相対非治癒切除例数は全症例の68.5%にも達し,その最大の原因はTW,Hrの規定条件を満足できない点にあった.また,相対非治癒切除群(n=113)の予後は相対治癒切除群(n=31)に比しむしろ良好な傾向を示し,自験例では根治度と遠隔成績との関連に一部矛盾を生じた.以上の結果を踏まえ,肝癌の脈管侵襲特性を考慮したわれわれの根治度分類の暫定案を提示し,あわせて予後からみた肝癌根治手術のあり方について言及した.
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