Japanese
English
特集 消化器癌の相対非治癒切除
胆道癌の相対非治癒切除—成績とその問題点
Relative non-curative resection for bile duct carcinoma:its results and problems
伊藤 徹
1
,
出月 康夫
1
,
小管 智男
1
,
柴山 和夫
1
,
若山 達郎
1
,
竹田 泰
1
,
島田 和明
1
,
下村 一之
1
,
登 政和
2
Tohru ITOH
1
1東京大学医学部第2外科
2旭中央病院外科
pp.1333-1339
発行日 1988年8月20日
Published Date 1988/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210151
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過去13年間の胆道癌症例の手術成績を検討し,相対非治癒切除の問題点につき考察した.胆嚢癌57例では治癒切除,非治癒切除の予後に明らかな差がみられた.しかしながら相対非治癒切除の4例中2例(stage Ⅲ)では,拡大胆摘術でhw1となったものの比較的長期の生存が得られた.胆嚢癌では可及的に癌腫を切除する相対非治癒切除の意義が認められた.これに対して胆管癌48例では治癒切除,非治癒切除の予後に差が認められなかった.相対非治癒切除は2例のみであった.今回の自験例の検討では,胆道癌取扱い規約との関連より,絶対治癒切除に分類した症例の中に相対非治癒切除症例が含まれていた可能性があり,今後の問題点と考えられた.
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