Japanese
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特集 鼠径ヘルニアの診療
高齢者鼠径ヘルニア—その問題点と治療のポイント
Inguinal hernia of aged patient:its problems and points of repair
大澤 二郎
1
,
東出 俊一
1
,
田中 誠
1
,
伊東 正文
1
,
白波 瀬功
1
,
網 政明
1
,
篠田 正昭
1
Jiro OSAWA
1
1朝日大学村上記念病院外科
pp.1039-1048
発行日 1988年6月20日
Published Date 1988/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210104
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高齢者人口の増加に伴い,70歳台,80歳台の高齢者ヘルニア手術例が増加している.高血圧,糖尿病,心肺疾患などの合併症の多い高齢者では身体主要臓器の機能的予備力の低下がみられ,術中,術後の一寸のミスが致命的な不幸を招くことになりかねない.
したがって,術前の十分なリスク判定とその対策を講ずる必要があり,麻酔法の選択も手術の成否を握る重要な課題である.ヘルニア手術法も侵襲の最も軽い術式が理想的であるが,術後の愁訴,社会復帰の遅延,再発などの問題を含む術式は推奨できない.過去7年間に私どもの施設で行った157件の高齢者ヘルニア手術経験をもとに,その問題点と治療のポイントについて考えてみた.
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