特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅴ.腹部・腰部
62.鼠径ヘルニア
高橋 伸
1
Shin TAKAHASHI
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.168-170
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902939
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疾患の概念
ヘルニアとは,臓器または組織が先天性あるいは後天性に生じた間隙を通って,本来存在する場所から脱出した状態をいう.一般にヘルニアは門,嚢,内容および被膜から構成されている,ヘルニア門は腹壁から臓器または組織が脱出する隙間である.血管,神経などが腹壁を貫通している部分や,先天的または後天的原因による腹壁の欠損,脆弱な部分がヘルニア門となりやすい.
鼠径ヘルニアは鼠径部に出るヘルニアの総称であり,これには外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアが含まれる.従来,大腿ヘルニアは鼠径ヘルニアとは別に記載されることが多いが,大腿ヘルニアも鼠径部に出てくるヘルニアであり,外鼠径ヘルニア,内鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアの3つを鼠径ヘルニアとするのが妥当と考える.
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