特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胆道
慢性胆嚢炎に対する肝床からの胆嚢剥離
伊藤 徹
1
Tohru ITOH
1
1東京大学医学部第2外科
pp.904-905
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210068
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慢性胆嚢炎の手術では,胆嚢周囲の癒着剥離および肝床部よりの胆嚢の剥離をいかに安全・確実に施行するかが要点になる.胆嚢頸部や胆嚢管周囲の剥離はとくに慎重に施行すべきで,胆管や血管の損傷が生じないようにする.炎症の高度である場合には,胆嚢内腔を開放することを躊躇せずに,胆嚢内腔面より周囲組織との位置関係を把握しながら操作をすすめる.合流部胆石やMirizzi症候群の状態になっている可能性も念頭に入れておく.また慢性胆嚢炎で胆嚢癌の可能性も否定できないような時は,多少出血は多くなっても胆嚢全層切除が選択されることもある.
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