Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・10
肝切除を伴う上部胆管癌根治術(Ⅰ)—拡大肝右葉切除術
加藤 紘之
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.377-382
発行日 1988年3月20日
Published Date 1988/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209951
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はじめに
上部胆管癌に対する根治的切除術は近年ようやく定着しつつある新しい領域の手術である.従来,肝門部は外科医の聖域といわれ容易に踏みこめない解剖学的複雑性を有する部位とされたが,血管外科的手法および肝切除術式の工夫が加えられた結果,積極的アプローチが試みられるようになった,その結果これまでの肝門部切除術では切除が困難であった肝内胆管浸潤例に対しても一側,あるいは一部の肝切除を行うことによって,より根治度の高い切除手術が可能となってきた.もちろん病変の局在,肝病態あるいは手技の工夫によって肝門部切除術が適応される症例もあるが,本稿では拡大肝右葉切除を伴う根治的切除術式につき述べ,次稿では肝左葉切除および中心部肝切除を伴う根治術の要点を述べる.
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