胆道手術の要点—血管処理からみた術式の展開・6
上部胆管癌に対する肝門部肝切除術
加藤 紘之
1
,
下沢 英二
1
,
児嶋 哲文
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.233-235
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900037
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はじめに
肝門部肝切除術は肝門部切除術をやや拡大して,左葉内側下区域(S4b)および右葉前下区域(S5)の大部分を切除する方法である.適応は肝葉切除に耐えられないと判断される肝予備機能不良例,高齢者で左右肝管に浸潤が及ぶ例などであるが,肝葉切除に比べて再建が2カ所になり,その術野もやや悪い.この手術の最大の利点は尾状葉を切除して根治性を高め得ることと,肝内浸潤に対処できる点である1〜5).No.8a,8b,13aおよび肝十二指腸間膜内の郭清・処理は肝門部切除術と同様であるが,中肝動脈は結紮切離する.
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