Japanese
English
特集 集中治療を要する術後合併症
肺塞栓症
Pulmonary embolism in post-surgical patients
東海林 哲郎
1
,
堀川 大
1
,
土田 めぐみ
1
,
金子 正光
1
Tetsuro SHOJI
1
,
Dai HORIKAWA
1
,
Megumi TSUCHIDA
1
,
Masamitsu KANEKO
1
1札幌医科大学救急集中治療部
pp.215-226
発行日 1988年2月20日
Published Date 1988/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209927
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肺塞栓症は静脈血栓を基盤として発症し,突然死をもたらしうる疾患で,外科手術後,ことに高齢者,静脈血栓の既往を有するもの,悪性腫瘍で広汎な腹部・骨盤手術,下肢の整形外科手術を受けたものでの発症頻度は高い.突然tachypneaを伴う呼吸困難で発症することが多い.いったん本症の疑いをもったら呼吸・循環管理をはかりつつ,肺吸入ならびに血流シンチ,肺動脈造影,下肢静脈造影まで機を逸せず行い,診断を得たら速やかに血栓溶解療法,抗凝固薬療法を開始する.効果が明らかでなければ開胸または経静脈血栓除去術を行う.本症発現リスクの高い例では術後早期より予防措置を始めるべきである.
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