カラーグラフ Practice of Endoscopy
胆道内視鏡シリーズ・5
遺残結石症例に対する術後胆道鏡
山川 達郎
1
1帝京大学医学部附属溝口病院外科
pp.143-146
発行日 1988年2月20日
Published Date 1988/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209920
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一般にいう遺残胆管結石は総胆管結石として手術を行った症例に発見されるものである.遺残結石の有無の検討は,したがってT-tube造影により行われることが多いが,T-tube造影も本稿胆道内視鏡シリーズ・2(術中胆道鏡),表1に述べた胆道造影法の問題点に加えて,挿入されているT-tubeと結石との重畳あるいは空気泡が胆管内に入りやすいなどの問題があり,遺残結石を見逃す原因となる.また遺残結石の70%は総胆管に発見されるが,T-tubeを抜去すると,結石は肝内胆管に移動して必ずしもT-tube造影所見に一致しない部位に発見されることもあるので注意を要する.著者らは,そのためT-tubeを抜去する際には必ず胆道鏡を併用しているが,T-tube造影で結石なしと判定した症例に遺残結石を発見したこともしばしばである.
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