Japanese
English
特集 集中治療を要する術後合併症
DIC
Disseminated intravascular coagulation
初瀬 一夫
1
,
望月 英隆
1
,
玉熊 正悦
1
Kazuo HATSUSE
1
,
Hidetaka MOCHIZUKI
1
,
Shoetsu TAMAKUMA
1
1防衛医科大学校第1外科
pp.203-211
発行日 1988年2月20日
Published Date 1988/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209926
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消化器外科手術後のDICの発生頻度は21/2282(0.9%)で,その要因の大部分は重篤な術後感染症であり予後は不良であった.DICの2大症状は出血症状と臓器症状にわけられるが,この感染症を基礎疾患とするDICでは出血症状が軽く重要臓器症状が前面にでてくることを臨床的に述べ,その機序の一端はエンドトキシンの血中plasminogen activator活性抑制作用にあることを実験的に説明した.
術後感染症に由来するDICの治療の原則は,基礎疾患としての感染巣の除去と薬物療法としての抗凝固療法が主体となる.いわゆるDIC診断基準をみたすような状態になる前に予防的に治療することが重要と思われ,参考までに薬物療法の開始時期の目安を述べ,最後に救命しえた術後DIC症例を呈示した.
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