Japanese
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特集 遺残胆石
手術療法の実際
総胆管遺残結石に対して
Surgical approach to residual common duct stones
小野 慶一
1
,
嶋野 松朗
1
,
佐々木 睦男
1
,
伊藤 隆夫
1
,
伊藤 誠司
1
,
遠藤 正章
1
,
唐牛 忍
1
Keiichi ONO
1
1弘前大学医学部第2外科
pp.49-56
発行日 1980年1月20日
Published Date 1980/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207353
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はじめに
胆石症手術後における結石の遺残は外科医にとつてもつとも頭を悩ませられる問題である.術直後にそれが発見され,しかもその摘出のため再手術が必要な場合,その旨患者を納得させることは至難のわざであり,場合によつては医療訴訟にまで発展する可能性すらはらんでいる.また術後晩期に発見されても紹介した内科医に対する体面もあつて,外科医にとつては一層深刻かつ切実な問題となろう.実際遺残結石の再手術は初回手術担当者以外の外科医によつて行なわれる機会が多いのもそのあたりの事情を反映している結果と思われる.
またいわゆる胆石再手術例においても三宅(博)1)はその160例中84例(52.5%)に,同じく槇2)は86例中49例(57%)にそれぞれ結石遺残を認めており,日常臨床上本問題に遭遇する機会は決して少なくないものと考えられる.そこで遺残結石とくに総胆管遺残結石についてのわれわれの考え方ならびに実際行なつている手術療法のあらましについて述べることとする.
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