カラーグラフ Practice of Endoscopy
胆道内視鏡シリーズ・Ⅵ
肝内結石症に対する術後胆道鏡(その1)—手技的事項を中心として
山川 達郎
1
1帝京大学医学部附属溝口病院外科
pp.295-298
発行日 1988年3月20日
Published Date 1988/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209939
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肝内結石症は,結石が存在する拡張部と病変開口部の狭窄を含めた切除により,また肝切を適応できない場合には,狭窄部を切除して胆汁のうっ滞を解除するドレナージ手術により根治が期待できるとされている.しかし病変部位とその拡がり,患者のリスク,その他(表1)の如き要因により,術前に確診し得た症例でも結果的には理想的な治療法がなされていなかったり,また不可能であることもあって,術後胆道鏡は本症の治療上必須の武器と認識されるにいたった.
切石術に用いられる胆道ファイバースコープの挿入経路には(1) T-tube瘻孔,(2)肝管空腸端側吻合により形成される盲管空腸瘻のほかに,病態によっては経皮経肝的胆管ドレナージ(Percutaneous TranshepaticBiliary Drainage-PTBD)により形成される瘻孔などがあり,これらは単独で,あるいは重複してその目的に使われる.
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