Japanese
English
特集 癌術後follow upと再発時の対策
食道癌
Postoperative long term managements for esophageal cancer
杉町 圭蔵
1
,
桑野 博行
1
Keizo SUGIMACHI
1
,
Hiroyuki KUWANO
1
1九州大学医学部第2外科
pp.1497-1500
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209814
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はじめに
近年,食道外科は急速な進歩,普及をとげ,ことにその安全性の向上に伴い,今日では多くの施設で食道の手術が行われるようになつてきた.しかしながら,その5生率は約20%と他の消化器癌に比べて著しく劣つているのが現状である1).その理由としては,食道癌では発見時すでに外膜浸潤やリンパ節転移を伴つた進行癌が多いことに加えて,手術侵襲が大きく上縦隔リンパ節郭清により術後肺合併症が高率に発生すること2)などの特殊性から,手術根治性が制約されることも少なくない点などが挙げられる.さらに食道癌では,治癒切除が施行された症例においても高頻度に再発がみられる点や3),早期癌といえども再発する症例がなお多く存在することなどから術前,術中術後を通した一貫した集学的治療の重要性は明らかであり,ことに術後の長期に亘るfollow upと合併療法は,その遠隔成績の向上に大きな意義をもつものと考えられる.このような現況に鑑み,教室では,治癒切除例,非治癒切除例を問わず,さらに早期癌も含めて,個々の症例の癌の悪性度に応じた術後合併療法を行つており,follow upの実際とともにここに供覧する.
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