特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅰ.術前・術後管理における薬物療法の実際
食道癌手術
杉町 圭蔵
1
,
桑野 博行
1
1九州大学医学部第2外科
pp.681-683
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209336
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□術前管理における薬物療法
1.食道癌にともなう全身的異常の補正
一般に食道癌患者は,入院時すでに低栄養状態の場合が多く,その的確な把握と補正が必要である.具体的には,毎食ごとの食事の質と量,1日尿量,尿比重の測定,さらにHb,Htの測定を行い,1日尿量1,000 ml以下,比重1030以上のときは脱水を考えて糖質電解質補液の点滴静注で尿量を1,500 ml以上とし,貧血があれば,これに加え輸血を開始する.また極端な通過障害者には中心静脈栄養または栄養瘻造設を行う.栄養瘻造設の場合,術前照射例には照射前に造設し,予定再建臓器が胃なら空腸瘻,結腸なら胃瘻がよい.
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