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特集 乳癌診療のUp-to-date
Editorial:乳癌ははたして全身病か
Editorial
阿部 令彦
1
Osahiko ABE
1
1慶応大学医学部外科
pp.1317-1318
発行日 1987年8月20日
Published Date 1987/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209787
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従来,腫瘍細胞はリンパ管内を通つて所属リンパ節に転移を来たすので,腫瘍とリンパ節をen blocに切除することが癌の手術と考えられ,今でもそのように信ずるものが多い.
しかし,最近では,この考えに懐疑的な論文もみられる.Fisherらは腫瘍細胞の播種の仕方に特にorderly patternはないと述べ,腫瘍細胞はリンパ管内で腫瘍栓を形成して拡がるので,このような場合にリンパ節はbarrierとして役立たず,癌と宿主との関係からみれば,リンパ節転移の存在は遠隔臓器への転移原となると考えるよりも,転移の発育が宿主の抵抗力に勝つていることを示す1つの指標にすぎず,切除可能な乳癌でもsystemic diseaseと考えている.
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