今月の主題 腎疾患診療の実際
糸球体腎炎—その診断と治療
慢性腎炎症候群の管理—はたして積極的な治療法はあるのか
椎貝 達夫
1
1総合病院取手協同病院・内科
pp.2594-2595
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222179
- 有料閲覧
- 文献概要
慢性腎炎症候群(chronic nephritic syndrome,WHO)は原発性糸球体腎炎のなかでタンパク尿,血尿,高血圧を呈し,慢性の経過をとるものをいう.病理組織学的にはメサンギウム増殖性腎炎,膜性増殖性腎炎(MPGN),膜性腎症,巣状分節状糸球体硬化症(FGS)などがある.
これら慢性糸球体腎炎(CGN)の発症には,免疫反応が主役を占めていることは種々の証拠から疑いのない事実とされている.しかし慢性の進行,いいかえれば糸球体濾過値が,徐々に減少していく機序にどの程度免疫反応が関与しているのかは明らかでない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.